人新世の表土

東京のマンションのベランダの植栽

ここはオーナーさんの二拠点目であり開かれた「箪笥」

この部屋に「箪笥」として所有物(古着や古道具など)を保管したり設として飾りつつ同時にそれらにここで触れてそれを欲しいと思った人には譲渡していくというコンセプト。またこの場所自体もオーナーの所有物であるが、身近な人に向けて開かれている。オープンキッチンとなりギャラリーとなりワインをのんだり社交の場でもある。それがお金以外もふくめたモノ・コトの交換でまわっていくという。

個人の所有にとどまらず繋がりにより育まれていく空間といえる。

 

このようなコンセプトを受けて、ベランダの植栽も可動の状態においておきたいと思った。

植栽は一体的に見えるが実は可動なサイズでフェルト製のナーセリーポットに入っている。

それでいてその周りは有機物で繋いだ。

それは地形的な風景を作るためであり、また機能的にも空気や水や微生物・菌類の次元でそれぞれのポット同士をつなぐ意味がある。

植物はその根と根が菌糸で繋がることでたがいに助け合い補い合うことができるため、つながっていればつながっているほど安定する。

またこのポット植物生産の現場では土の中に埋めても使われているという通気性通水性の高いポットなのでプラスチックなどとちがい外側の環境と繋がることができるが、それはまた同時に乾燥しやすいということでもあるため、日当たりの良いベランダ環境に耐えるための保水力を補うことも意図した。

 

まだまだ変更・増殖可能であること

土の上ではないからこその自由な植物の振る舞いや人との関係があるのではと可能性を感じた。

 

東京 現代の地質としてのコンクリート

その上に生み出されていくのは新しい表土

あたらしい人間の生き方 

生き物としての営み

循環のしくみ