これはエスコーラがはじまってすぐの2015年3月とかくらいのエスコーラのひろばの写真。
もう今年で5年目にもなるなんて!
本町エスコーラ、この場所は、わたしがオフィスとして借りている場所。
ひろばのある長屋を改装して、十数人の人たちが日々暮らしたり、活動の拠点として使っていて、わたしもそのなかのE号室を今は4人のなかまとシェアで借りている。
そしてこれが今日のエスコーラのひろばの写真。
多くの植物は落葉したり休眠したり、すっかり冬の景色ではあるけれど、それでもたしかにそこに植物が息づいているのを感じる。小さく身を引き締めながら、寒さに耐えるもの。葉を落とした枝には、生命力の小さな爆弾みたいなつぼみが、いまはまだ静かに春を迎える準備をしている。
このエスコーラのひろばのわたしの密かなコンセプトは『偶然の庭』
たくさんの人たちの思いや思惑や無関心や協力やギフトによって偶然に立ち現れた風景がここにある。
このひろばはかつては長屋が建っていたから、大地はほんとうに固く締まっていて、はじめはスコップを入れることすら難しいくらいで、(エスコーラだけではなく多くの都市環境の中ではそうだけれど)なにかやみくもに理想を描いて好きな植物を植えれば育ってくれるような環境ではなかった。
それでたしか、エスコーラが始まって1年くらいした2016年の春に『大地の再生』の手法を使ったワークショップを企画して、ここはスコップやツルハシを使っても人力で土を動かすことが困難だったので、重機も入れて『通気水脈整備』をやった。つまり、エスコーラのひろばの地形を、自然の環境で空気や水が、つまりは、風や雨や川の水が地形を作っていくその方法を模倣するようなやり方で彫刻し直した。
地形を自然のやりかたに倣った形にまず整えてあげることで、あとはもう、時間が勝手にやってくれる。自然のまさに自然治癒力が働くようになるので、空き地も荒れ地も勝手にもう自分自身で風景になっていく。
でもやはり、わたしはせっかちなので、その時間を早送りするようなこともこの3年間続けてきた。草刈りによって生えている野草の勢いや根の状態をコントロールしたり、また新たな樹木や草花もいろいろ植えた。
ここにある植物のほとんどは、ギフトとしての頂き物や、不要になって処分されそうになった植物をもらってきて植えたものがほとんど。それとどこからともなくやってきて勝手に生えてきた植物。だからみんなちょっとちぐはぐで、また次になにがやってくるかわからないのでまったく計画性のない行き当たりばったりの庭ができてきた。
そしてまたそこにわたしも含めニンゲンという野生の生きものも加わって、ますます偶然にいろんなシーンが現れてくる。
地形を整えてから3年目だった去年から、だいぶん植物が勢いがでてきたというか、勝手に自由にのびのびしだしたような気がしてうれしい。植物たちには今年ももっともっと自由にそれぞれ好き勝手やりたいようにやってもらいたいな。そうであってくれてはじめて、わたしもようやく、もちろん植物たちの勢いにも後押ししてもらいながら、ここでやりたいことができるな〜と。
今年はまたどんな表情を見せてくれるのか楽しみ!
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コケ (水曜日, 15 1月 2020 19:43)
ステキですね�
Goa (金曜日, 17 1月 2020)
Lovely!!